Updated on 9月 18, 2023
円安のご時世。今こそDTM用自作PCのおすすめ
DTMと言えばMacが定番ですが、AppleはiPhoneと同様にMacでもストレージの容量で価格帯を分けているので、昨今のプラグイン等の容量の肥大化や円安の状況を考慮すると、誰にでもおすすめできる状況ではなくなりました。
とにかくメモリーもストレージも円安の影響とは言え高すぎですよね。
メモリー容量 | ストレージ容量 | 価格(円) |
16GB | 512GB | 288,800 |
32GB | 1TB | 372,800 |
32GB | 2TB | 428,800 |
32GB | 4TB | 512,800 |
32GB | 8TB | 680,800 |
2TBで42万円を超えます。メモリーが64GBや128GBならまだわかりますが32GBと少ないのでコスパが悪すぎます。
目次
DTMに必要なPCの性能とは?
DTMに必要な要素としては、CPU、メモリー、ストレージ(性能、容量)があります。
CPU
DTMでの楽曲制作では、ソフトウェアシンセサイザーやエフェクターなどプラグインを多数同時に使用して楽曲を演奏したり、録音したりします。
楽曲の制作中は特にプラグインの入れ替えや調整など動かしながら試すことが多いので、CPUのコア数は多い方がいいです。ただし、10コアもあれば困ることは少ないと思うので、それほど高価なCPUである必要はありません。
メモリー
DAWやプラグインを使用する人になくてはならにものはメモリーです。
最近のDAWやプラグインは豊富なメモリーがあることが前提になっていたりするので、インターネットの閲覧するくらいのPCよりは多く必要になります。16GBではOSやDAW以外にも起動しているソフトがあると空き容量が少なくなるので、快適な作業をしたいのであれば32GB以上必要になります。
ストレージ
最近のDTMはプラグインでの楽曲制作が定番で、特に人気のパッケージは、年々肥大化しています。KOMPLATE 14 Ultimateでは、全ての製品をダウンロードおよびインストールすると770GB必要になります。またDTMを始めると、年々あれやこれやほしくなります(笑)。また毎年バージョンアップしていくので、もっているプラグインの容量が少なくなることは一生ありません(真顔)
あと容量も大事なのですが、プラグインを追加したり音色を切り替えたりすることは頻繁に発生するので、ストレージの読み込み速度によってはかなりストレスになります。快適に作業をしたい場合は、M.2など高速なストレージが必要になってきます。
おすすめのDTM用自作PCのパーツは?
CPU
Intel 第12世代以降のCore i5以上であれば性能、価格ともに問題ないと思います。
2023年10月17日に最新の第14世代CPUが発売されるそうですが、こちらは13世代のリフレッシュ版となるようで、性能は数パーセントの向上にとどまりにDTMで使用する場合はそれほど違いは無さそうです。数パーセントの性能向上のために消費電力も上がりそうで、あと価格も高くなる見込みなので、待つ必要はないかと思います。
私はCore i9-13900Kを使用していますが、CPUの発熱で温度も高く省電力設定などの知識が必要になってきたり簡易水冷などの冷却コストも高くなりますので、Core i5-13600Kあたりがおすすめになります。消費電力も少なくほどよい性能で扱いやすいCPUになります。CPUクーラーも空冷のものであれば十分な冷却性能もの(DeepCool社製等)が5000円程度で購入可能かと思います。
おすすめのCPUは次の2つです。
- Intel Core i5 13600K (14コア ) 47,980円 (2023/9/17 最安価格)
- Intel Core i5 13500 (14コア ) 37,699円 (2023/9/17 最安価格)
なぜ同じ14コアで13500の方が1万円安いわけですが、これは同じ第13世代として発売されていますが、中身は1世代前の12世代(Alder Lake)のCPUと同じものです。そのため性能も13600Kの方が高く、その分高い価格に設定されています。新しいもの好きの方でなければ、13500で問題ないかと思います。
メモリー
第12, 13, 14世代の対応しているメモリーは、DDR4, DDR5の2つの規格が存在します。そのためマザーボードも2つの規格の異なるものが各社販売しています。今のところどちらも対応しているマザーボードは発売されていないので、どちらかを選ぶ必要があります。マザーボードベンダーや、小売店などは当然最新のDDR5をおすすめしていますので、最新を選ばれる方も多いかと思いますが、DTM用としては、DDR4がおすすめです。
DDR4を選ぶメリット
- 大容量(64GB, 128GB)にしてもコスパが良い
- 発熱、消費電力が少ない
- PCの起動が速い
- DDR5との性能差が少ない
おすすめのメモリーは、
- Crucial 64GB(32GBx2枚) DDR4 メモリ 15,820円 (2023/9/17 最安価格)
予算によっては32GBでさらに安くすることも可能ですが、自作PCのメリットを享受するなら64GBあってもよいかと思います。CLなどタイミングや転送速度など気になる点は多いですが、DTMで大事なことは安定動作することです。あまり速度にこだわらず安定したメモリーを選びましょう。
ストレージ
DTMでストレージと言えば、M.2 (エムドットツー) 一択です。他の選択しはありません。これを選ばないと自作PCにしたメリットが半減というかなくなります(涙)
最近はM.2の高速なストレージが安いものが多数出てきました。これがMacと比較して自作PCでDTMをする最大のメリットかもしれません。
以前は安いSSDなどは信頼性が低く故障するイメージであったと思います。もちろんそういう傾向は今後もあるとは思いますが、最近の格安M.2の製品はレビュアーがYoutubeなど多数情報を上げてくれているので、それほど心配しなくてもよい状況になりました。どのくらい酷使すると故障するかなどの動作検証もしてくれています。
自分で数カ月使用して快適に動作して問題ないものなのでおすすめしたいと思います。
おすすめのストレージは、
- Lexar 4TB NVMe SSD PCIe Gen 4×4 29,800円 (2023/9/17 参考 amazon.co.jp)
- Solidigm SSD P41 Plus 2TB 12,980円 (参考 2023/9/17 ドスパラ)
M.2はマザーボードに搭載できる数に限りがあるため、DTM用途としては4TBのものをおすすめします。2TBを2枚買ってもそれほど価格差がなくなったというのも理由としてはあります。
私は、Lexar 4TBを2枚と 2TBを1枚の合計3枚 (10TB)で運用しています。また、USBの外付けSSD 4TBとm.2の外付けUSB対応させた2TBも所持していますが、これらはMac用に購入しましたが。やはりわざわざ接続して使用するという手間がかかり使用しなくなりました。
あとすごく細かいところですが、プラグインによってはインストール先が選べないものがあったり、標準と異なる場所にインストールするとバグの原因になってりするので、Cドライブも予算があれば4TBがおすすめです。
あと、格安M.2を選べる理由で重要なことがあります。
それは、ストレージが壊れてもいいと考えています。というのもセッションデータ(楽曲などのMIDIや録音データ)は、クラウドのストレージに保存するので最悪PCが壊れても問題ありません。Office365を契約しているので1TBまで使えたり、その他、Google DriveやDropboxなども使用しているので、データがなくなっても困らない状況があるというのが最大の理由です。
この点は、価格が高いMacでも壊れる可能性があるものとして運用していました。
マザーボード
4大マザーボードメーカー(ASUS, ASRock, GIGABYTE, MSI)のものであれば好きなもの買っていいと思いますが、M.2が何枚させるかとヒートシンクは標準装備かは確認しておいた方がいいです。ただし、自作PCでは外付けのUSBストレージやPCIスロットなどで拡張することもできますのでこちらも予算に合わせて選ぶのがいいと思います。
おすすめのマザーボードは、
- MSI MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4 23,760円 (参考 2023/9/17 amazon.co.jp)
マザーボードは、チップセットがB660、B760などは価格が安いですが、M.2のスロットの数が少なく、また帯域もGen4x2と遅いスロットが混在しているので注意が必要です。もちろん必要十分なら選択肢としては問題ありません。ここであえて1世代前のZ690がおすすめなのは、このマザーボードは4枚M.2のスロットがありGen4x4で帯域制限もありません。現行のZ790はもちろんいいですが、DTMに必要な性能とコストを考えると1世代前のZ690がおすすめです。
最後に自作PC作れませんという方向け
そういう方には、BTOパソコンというものをおすすめしたいと思います。BTOというのはメーカーがある程度顧客の要望で受注生産してくれるPCです。
こういった用途で使いたいのでM.2が多くさせて安定するPCを作ってくださいと依頼するだけで購入できると思います。組み立て代行やOSインストール、動作検証までしてくれるショップもあるので、ぜひ相談してみてください。
人件費やアフターサービスのことを考えると、それほど高くない金額で自作PCのメリットを得られる良心的なサービスだと思います。
自作PCパーツの具体的な構成と価格は?
次の記事に記載します。